君がいた部屋~二階階段前倉庫~
「お母さん!」
あたしはもう一度呼んだ。
今度は目が…
目が開いた。
「お母さん!」
「…美、羽…」
「お母さん!」
あたしは横になっているお母さんに抱きつく。
「ご、免…ね……海…い、け…なく、て。」
「いいよ!そんな事より!」
「こ…ん、ど…行こ、う…ね。」
あたしは頷いた。
お母さんは目を閉じた。
あたしは待った。
お母さんかもう一度起き上がるのを。
だけど…
もう目さえ開けてくれる事はなかった。