君がいた部屋~二階階段前倉庫~
「どうしてとか聞かないのか?」
「聞いたって、どうせ教えてくれないんでしょ?」
「やっぱお前頭いいな。さすが学年トップの三神美羽だな。」
何でだろう?悪い気分にならなかった。
こんな言い方される時はだいたい嫌味だ。
勉強ばっかしてるつまんない奴だとか、よくそんなので生きてきたなとか、
蔑み以外にしか言われた事無い。
でも今の言葉には、そんなもの感じなかった。
褒められてるわけでも、貶されてるわけでもない。
とても不思議な感覚だった。
「あのさ、今のって褒めてくれたの?」
「どっちだと思う?」
どっちだろう?いや、それとも、
「どっちでもない?」
「何でそう思った?」
「何となく。」
「そうか。」
「で、結局どっち?」
「どっちでもない。ただ事実を言ったまでかな。」
「そっか、ありがとう。」