君がいた部屋~二階階段前倉庫~


その翌日、あたしは最低限の荷物をまとめた。


あの部屋小さいから、できるだけコンパクトに。


荷造りが終わると、あたしはそれだけで達成感に満たされた。


一馬はあたしがいなくなった事で探したりしないだろう。


家出の原因が自分だと話されたら、彼にとっては都合が悪いからだ。


あたしは勝ったと思った。


そしてあたしは


家を出た。


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