君がいた部屋~二階階段前倉庫~


白はだんだんと無くなっていった。


代わりにあたしの目に写ったのは天井だった。


でも、


それは第2倉庫のものではない。


見覚えのある天井、見覚えのある電気…


導いた答えは


家だ。


あたしがずっと住んでいた大嫌いな家。


夢だったの?


今までの事全部、夢?


…そうだよ。


あたしは自分の体を抱きしめた。


竜なんて…いなかった。


翔太も桜も陽介君も、皆いなかった。


あたしは


長い長い夢から覚めたんだ。


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