君がいた部屋~二階階段前倉庫~
翔太
桜と出会って1ヶ月が経った。
あたしは桜と悠美と一緒にいる。
悠美もいい子だ。
世間知らずのあたしに優しい。
この日もいつものように3人でお弁当を食べていた。
「聞いて聞いて!!」
悠美が嬉しそうに言った。
「どうしたの?」
あたしと桜は同時に言った。
思わず笑った。
悠美は嬉しそうに話す。
「昨日ね、3年C組の井川先輩と喋っちゃいました!」
3年C組の井川?
聞いたことある。
芸能人顔負けの超イケメンで、ファンクラブがあるらしい。
会員人数は、女子の半分。
悠美もその中の一人って事だ。
「そうなんだ。おめでとう。」
桜はハンバーグを食べながら言った。
「でもどうやって喋ったの?あの人気者と?」
「あのね、帰りに廊下でぶつかって、悠美が、ご免なさい!!って言ったら、俺全然平気だけど大丈夫?俺の方こそご免ね。だって!!!」
悠美のテンションはマックスだ。
「悠美って井川先輩のファン?それともラブ?」
桜が訊いた。