君がいた部屋~二階階段前倉庫~
「そうか。」
「竜は?」
「さぁな。」
「それぐらい教えてよ。」
竜はいまだにあたしに何も教えてくれない。
そろそろ教えてくれったっていいのに…
いつになったら竜のこと分かるんだろう。
あたしは竜にいろんな事を話した。
だから話してほしいわけじゃない。
それは一方的にあたしが話してるだけであって、竜に頼まれたわけではない。
でも、やっぱりすこしは竜の事知りたい。
名前だけじゃなくって、せめてクラスぐらい教えてくれたっていいのに。
「そんなもん忘れた。」
「は?そんなわけないでしょ。今の担任なんだから。」
「忘れた。」
あたしは諦めた。
竜は絶対教えない。
「分かった。じゃああたしそろそろ行くね。」
「帰るな。」