君がいた部屋~二階階段前倉庫~
桜と翔太―桜―
翔太…
桜は死にたくなった。
翔太がモテるのは知ってる。
それでも…
桜がそんな事考えていると電話がなった。
翔太からだった。
出たくなかった。
出たらもう翔太とは会えなくなっちゃうよ。
それでも桜は電話に出た。
「もしもし?…」
「もしもし桜?」
「翔太…美羽と桜のどっちが好き?」
「さっきのは違うんだって、そりゃ桜に黙ってあんな事したのは俺が悪いけど…」
「言い訳、聞きたくない。」
「だから待てって。」
「桜はね、翔太よりも美羽の方が大事なの。美羽はね、桜のこと絶対に裏切らない。」
「桜!!」
「もし美羽のこと泣かせたら、桜絶対に許さないから。だからもう二度とこんな事しないで。」
「美羽とは別れる!」
「桜のこと好き?」
「愛してる。」
「じゃあ桜とも別れて。もう電話しないで。あと、美羽には何にも言わないで。じゃあね。」
桜は電話を切った。
これでいいの。
翔太は桜を裏切った。
翔太は美羽も裏切った。
美羽のあの顔、絶対桜のこと知らない。
だから翔太が全部悪い。
美羽は悪くない。
美羽は絶対に桜の味方だもん。
なのに…
何で涙は頬を流れるんだろう?
どうやったらこの流れは止まるんだろう?