君がいた部屋~二階階段前倉庫~


お通夜はとても長く感じた。


天国にいる翔太へのお別れだから長くて当たり前だけど、それでも長かった。


あたしと桜はずっと泣きっぱなしだった。


お通夜が終わった後も暫く一緒に泣いた。


その後あたし達は一緒に帰った。


「ねぇ桜、桜は翔太の親戚かなんか?」


帰り道の途中であたしは訊いた。


「ねぇ美羽…」


「何?」


「今から桜が何言っても怒らない?」


あたしは桜が何言いたいか分からなかった。


「怒らないよ。」


そう言うと桜は静かに話し始めた。


「桜ね、翔太と付き合ってた…」


「え?」


あたしは自分の耳を疑った。


桜と翔太が付き合ってた?


そんなはずないよ?


だって桜が転校してきたのって今年からだよ?


あたしが翔太と付き合い始めたのもこの前だよ?


二人が付き合っての短すぎじゃない?


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