君がいた部屋~二階階段前倉庫~
「あたし、学校やめよっかな。」
悠美の言い方はとても冷たかった。
まるで、今から死のうとしてるんじゃないかって思うぐらい。
「悠美、何言ってんの?」
「マジで。」
「そんな…井川先輩が亡くなったからって、」
「それだけじゃないよ。」
「え?」
「あたしね、本当はこの学校にいるはずじゃなかった。」
「どういう事?」
「あたしね、他に行きたい学校があったの。でもそこの学校はここより偏差値低くって親に反対されて。」
悠美はとても切なそうな顔をしていた。
そうだったんだ。
その後も悠美は話してくれた。
悠美には夢がある。
女優になる事だ。
悠美が行きたかったっていう学校の演劇部は本格的に何でもやらしてくれるらしくって、演劇の全国大会で何度も優勝しているらしい。
だから大会で有名な劇団から声がかかる事もあるらしい。