君がいた部屋~二階階段前倉庫~


「あのさ、聞きたいんだけど。」


桜は冷たく言った。


「…」


「あんたさ、仲直りする為に桜が呼び出したと思った?」


あたしは何も答えなかった。


事実だ。


桜がこの前取り乱した事で呼ばれたと思った。


あたしが黙っていると、浅間実穂が口を挟んだ。


「天才のこいつがそんなん思うわけないじゃん!そんなん幼稚園児でも分かるし。」


「だよね。仮にも、学年トップの三神さんだもんね?でもそれだったら普通来なくない?」


桜は意地悪な顔して言った。


あたしは思った。


この子は、桜じゃない。


桜の仮面を被った、全くの別人。


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