君がいた部屋~二階階段前倉庫~


竜は真っ直ぐにあたしの目を見た。


あたしは目をそらした。


あたしは竜の言うことを聞かなかった。


あたしに、甘える権利はない。


「馬鹿でしょあたし。ずぶ濡れになってさ、騙されたのも気付かずにだよ。」


「無理しなくていいぞ。」


「無理って、最悪だよ。友達に虐められるはめになってさ、…本当に…さ…」


あたしは泣くのを必死で堪えた。


泣いちゃダメ。


これは


自分で招いた、自業自得の結末。


「別に構わないぞ。」


「何が?」


「泣いていいからな。」


それを聞くと、あたしはこれでもかって程泣いた。


体の水分が全部なくなるんじゃないかって程泣いた。


あたしは泣きながら話した。


「あたし…信じ、てた。…桜の、こ、と…友達だって、信じて…たんだよ。」


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