君がいた部屋~二階階段前倉庫~
あたしは学校を出るまで走って、そこからは歩いて帰った。
以外と人というのは周りをみていないもので、びしょ濡れで歩いていても誰も見向きもしない。
走って帰る気力すらなくしたあたしは、ただとぼとぼと帰るしかなかった。
あたしはふと前を見た。
傾きかけた太陽がすごく綺麗だった。
あたしは自分が情けなくて仕方なかった。
虐められても、いつも何一つ出来ない自分。
やり返す事もしなければ、誰にも相談しない。
っていうより、相談する相手はいなかった。
友達はいない、親も彼氏も…
そんなんだから虐められる。
分かってはいるけど、
自分を「作る」って事は出来なかった。
どうしても素が出てきてしまう。
特に勉強の事になると全然ついていけない。
そうやって、結局は独りぼっち。
馬鹿みたい
あたしは
本当に馬鹿だ。
一番答えに近い数字はだせても、
一番大切なものは何も分からない。
あたしは
大馬鹿者