君がいた部屋~二階階段前倉庫~


先生は涙を堪えて話始める。


「10年前、私もここの生徒だったの。その時の彼氏がね…ここで死んだの。」


「え…」


「すっごいカッコイイ彼氏で、私の自慢だった。」


「先生、」


「あ、ご免ね。こんな話急にして。」


「そうじゃなくって、あの…その人の名前教えてもらっていいですか?」


まさか…


そんな偶然が頭を過ぎる。


「彼の名前?雪野竜って人。」


あたしの頭の中で、竜が走馬灯のように出てくる。


先生の死んだ彼氏は


雪野竜


あたしが今会いに来たのも


雪野竜


嘘でしょ?


あたしが今まで会っていた竜は…


幽霊??






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