君がいた部屋~二階階段前倉庫~
竜の過去―恵―
「恵!!」
大好きな人の声に反応してあたしは振り返る。
その人は自転車に乗ってどんどんこちらに近づいて来る。
「竜!」
あたし、秋本恵、17歳は大きくてを振る。
竜はあたしの横まで来ると自転車に急ブレーキをかけて止まる。
「ちょっとだけど乗ってくか?」
「うん!」
そう言ってあたしは竜の後ろに乗って登校する。
竜はあたしの彼氏だ。
竜は学校でも人気だ。
顔も頭も性格も、全部良い。
そんな竜にあたしは恋をした。
最初は、こんな人好きになったって無駄だって思った。
でも、あたしは告白した。
人生初の告白
竜は
「俺も秋本のこと好き。」
嬉しすぎて泣いたあの日は一生忘れられない。
きっといくつになっても。
そして、あたしと竜は付き合う事になった。