君がいた部屋~二階階段前倉庫~


その頃は凄く寒かった。


もうすぐクリスマスって時期で、皆楽しそうだった。


友達も、彼氏とクリスマスの事相談したりして、、学校全体がキラキラと輝いていた。


でも


「竜!帰ろう!!」


「あ、ご免!悪いけど先帰る!!」


そう言って竜は全速力で自転車をこいで行ってしまった。


最近、ずっとこんな感じだ。


いつも一人で帰るはめになる。


何でいつも先に帰っちゃうんだろう?


あたしだって、皆みたいに好きな人と帰りたい。


自転車の後に、乗りたい。


あたしは親友の朋佳に相談した。


朋佳はいわば恋の達人…って言うより仙人だ。


あたしが相談すると朋佳は真剣に言った。


「竜君さ、…浮気してるって事ない?」


あたしは思わずハッ?って言い返してしまった。


「無いよ。竜だよ?」


「だからこそじゃない。」


「有り得ないよ。」


「でもさ、竜君って超モテるじゃん。」


「…」





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