君がいた部屋~二階階段前倉庫~


この辺で一番大きなショッピングモール。


でも、竜がこんな所に来るなんて何の用?


参考書なら近所の本屋でいいし、文房具だってそう。


特にオシャレに興味の無い竜にとってこんな所無縁なんだけど…


そんな事を考えていると、竜が大きく手を振った。


あたし達に気付いた?


否、違う。


女の子だ。


あたし達じゃない、他の女の子。


白いコートがよく似合っている、可愛い子だった。


あたしは…何て言ったらいいんだろう?


言葉にするのが難しい変な感情に包まれた。


その女の子は、竜の方に駆け寄ると、仲良さそうに二人で歩き出した。


まるで、恋人…


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