君がいた部屋~二階階段前倉庫~
「恵!」
あたしは右を向くと、朋佳がこっちを見て言った。
「帰ろう。」
「やだ、」
帰りたくない、
間違いだって証拠見つけるまでは。
「そんなに泣いてても?」
朋佳はあたしに鏡を見せてくれた。
あたしは
目を真っ赤にして泣いていた。
あんなに短い時間でも、こんなに赤くなるんだ。
それくらい、あたしの目は赤かった。
「恵?」
「帰ろう。もう日暮れちゃうし。」
あたしは笑って言った。
朋佳はとても複雑な顔をしていた。
朋佳も信じていてくれたんだよね?
竜とあたしは絶対一緒だって。
だからそんなに悲しそうなんだよね。