君がいた部屋~二階階段前倉庫~


「違うよ。」


竜はボソッと言った。


「何が違うのよ!恵はあんたのこと大好きだったんだよ?!それなのに…竜君最低だよ!…恵行こう?」


そう言って朋佳はあたしの手を握った。


そして竜を睨み付けて言い放った


「二度と恵に近付かないで。」


朋佳はあたしを引っ張って進もうとした。


「恵!」


竜はあたしの名前を呼んだ。


「放課後、第二倉庫来いよ。恵来るまでゼッテー帰らねぇから。」


あたしは戸惑った。


どうしたらいいの?


返事は何て言ったらいいの?


そんなあたしを、朋佳は無理矢理その場から引き離した。


チャイムが鳴った。


とても切なく、チャイムひ響いた。


学校中が切ない気がした。


< 95 / 231 >

この作品をシェア

pagetop