【短編】ガラス箱のアリ
『ピッ』
食器を片付け、軽く化粧をして、身支度を整えると私はリモコンでテレビを消した。
電気の消し忘れなどのチェックをしたら迷わず玄関に行った。
靴箱からお気に入りの黒の柔らかい素材でてきているハイヒールをはいた。
『ガチャ』
扉を開けると優しくまぶしい朝日がわたしを包んだ。
空を見る。
目を閉じる。
…今日も感じる…。
閉じた目を開くとすばやく部屋の鍵を閉め、ハイヒールのコツコツという音とともに、エレベーターへ向かった。