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建物の上の方で、明かりがついた。

小窓からわずかに光が漏れている。…おそらくトイレではないだろうか?

「おい!…助けてくれ!…聞こえるか!…助けてくれ!」

俺はありったけの声を振り絞る。…だが、雨の音で虚しく掻き消されてしまう。

…暫くすると明かりは消えた。

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