正義〜Jasuthisu〜
結局恭介は久美子に押し切られるように事務所を閉め、自宅へとタクシーを走らせた
先程の打ち合わせでは完全に恭介のペースだったのが今は立場が逆転していた
かつての恭介なら有り得ない状況であった
営業時代は相手のペースに合わせてるように見せて自分のペースに乗せるのを常とし
ホスト時代は俺様って感じでいた為、久美子のようなタイプに自分を合わす事は無かった
相手に合わせるのを苦手とする恭介だったが久美子に対してはそういう気持ちを抱かないのを不思議に感じていた
タクシーで移動中、恭介は久美子の質問攻勢にあっていた
年齢や趣味はもとより彼女の有無まで聞かれ返答に困っていた
いつもは適当にかわしながら答える恭介も普通に事実を久美子に伝えていた
胸の高鳴りを抑えながら…