正義〜Jasuthisu〜
一瞬にして頭が真っ白になる恭介
何が起きたのか把握出来ずに呆然としている恭介を尻目に久美子は口を開いた
「実は今日父が急用ってゆうのは半分嘘だったの」
まだ状況が把握できないでいる恭介に久美子は
「今日は渡部さんと打ち合わせするって父から聞いてたから父に無理矢理用事をつくらして私が来たの… ちょっと強引だったかな…」
そう照れながらも悪戯っぽい笑顔で久美子は
「じゃあ、これ父に渡しときますから」
と呆然としている恭介の横を通り過ぎドアの所で
「今日は会えてよかったです」
「もしよければまた会ってくださいね 携帯番号は机の上に置いてますから…」
少し顔を赤らめながら久美子がドアを閉めた時ようやく我に返った恭介は彼女を送ろうと急いで部屋を出たものの既にエレベーターは下の階へと降りていった後だった
それでも恭介は自分の部屋のある12階から、非常階段を駆け降り息を切らしながらもなんとか一階まで辿り着き表に出た