サガシモノは、愛ですか?(仮)
「――ッ、……痛ぇ……んだけど?」
リクが顔を歪め
口元を片手で覆う。
わたしの、
口の中にも
鉄のさびた味が
広がる。
「そりゃ、痛いでしょ」
「さーや、キスすんの下手くそ過ぎ」
キスじゃない。
わたしのキスは
タダじゃない。
「もしかして、処女だったり?」
と、リクが呟いて
「それはないか」
と一人で納得したように言った。
「あんなとこ出入りしてる位だもんな。さーや」