白い天使
頭にフッと弟の事が過る…。

アイツこそ偽善者だったな…。いや、偽善者にもなれなくてただの殺人犯で幕を閉じた可哀想な弟だ。
『せめて僕の手で逝けただけお前は幸せだよ』
遺影に話しかけた。笑ってる写真が僕を見つめる
『悔しいか?でももうお前には何も出来ないよ』
僕は弟の写真を伏せた。死んでしまったらそこで終わりだと気付かない方が悪いんだ。
僕は死なない。

生きる希望を手にしている限り…。
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