白い天使
僕は段々と遠退く自分の命を必死に捕まえながら考えた。

このまま君の思うようには決してさせない。
だがもう限界が近づいているのが自分でも分かっていた。
『俊樹、あなたは賢いわ。もう分かるわね?自分の車へ行ってゆっくり眠ってちょうだい。この二人は私が運ぶわ』
チャンスだった。僕が僕自身である白い天使を守る為にもうこうするしかなかった。

消えかかる意識を唇を噛みきりつなぎ止めた。
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