かすみ草の夢
間近で見たカンジ君の目は、黒目がちでキラキラしていた。

初めて見た去年から、彼は気になる存在だったのだけど、ぶつかった私を悪く言うでもなく、荷物を拾ってくれた彼の優しさと笑顔に、私は恋に落ちた。

初恋だった。

小学5年生の夏休みのことだった。




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