かすみ草の夢
私は、話しかけてきている健太の声を遠く聞きながら、夏希とカンジ先輩のやり取りに耳をそばだてた。

「あー、日曜は、バイトだわ。
ごめん、また、今度な」

「えー、カンジ先輩のバイトって、日曜は入ってなかったですよね?」

「ああ、今回は他のヤツの代わりを頼まれてさ。急遽入ることになったんだわ。
せっかく誘ってくれたのに、わりぃ」

カンジ先輩、バイトなんだ。

たいへんだなあ。

でもよかった。

私がほっとしていると、健太につつかれた。

「おい、真奈美、聞いてる?」

「え、あ、ごめん。なんだっけ?」

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