かすみ草の夢
そこで、カンジ先輩がみのりちゃんと私の間に入ってきた。

「あーあー、もう、俺のことはいいよ!」

リョウ先輩もみのりちゃんに声をかけた。

「みのり、そろそろ行こう、おばさんが心配するよ」

「あ、そうだね。
引き止めちゃってごめんなさい。
それじゃ、真奈美さん、お先に失礼します」

みのりちゃんは私に会釈したあと、カンジ先輩の方を向いて言った。

「カンジさん、もうこんなに暗いんだし、真奈美さん、ちゃんと家まで送ってあげなきゃダメだよ~」

「お、おう!」

ええっ、みのりちゃん、なんてことを!

私はどぎまぎしながら、カンジ先輩と並んでみのりちゃんとリョウ先輩を見送った。

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