かすみ草の夢
盛況のうちにビンゴゲームは終了し、あとは各自自由に歓談、ということになった。

健太と優衣と私も席に落ち着き、やっと食事にありついた。

そこへ、カンジ先輩がビールとジュースを持ってやってきた。

「おつかれさん」

ビールを注いでもらってひと口飲んだ健太が言った。

「いやあ、カンジ先輩が選んでくれた景品のおかげで盛り上がりましたよ。
ありがとうございました」

「いや、あれは全部、真奈美が選んだんだから、礼なら真奈美に言って」

私はジュースをついでもらいながら、慌てて否定した。

「えー、違う、違う。
ほとんどカンジ先輩が見繕ってくれたんじゃないですか」

コンドームまで私が買ったと思われたら恥ずかしい。

< 76 / 111 >

この作品をシェア

pagetop