かすみ草の夢
「まあまあ。
選んだのは俺だけど、真奈美も運んだんだぜ、あの荷物。
男のおまえがそういう力仕事しなくてどーすんだよ」

カンジ先輩は健太の額をコツンとたたいた。

「すいませんでした!」

「で、追試は無事に通ったんだろうな」

「はい、おかげさまで。
次回は俺がしっかり幹事やりますんで」

「おう、頼むぜー」

カンジ先輩はまた健太のグラスにビールを注ぐと、自分の席に戻っていった。

「今回は結局カンジ先輩に世話になっちゃったな。
真奈美もほんとサンキュ」

「私もあんまり手伝えなくてごめんね」

健太と優衣に言われ、私を首を振った。

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