かすみ草の夢
「うん、一番悪いのは真奈美の進路を邪魔したヤツだよ。
でも、真奈美の実力をちゃんと確かめないで上級者コースに連れてった俺たちもいけなかったと思う。ごめんな」

「私も。ごめんね」

健太と一緒に優衣にも謝られ、私はますます困ってしまった。

「いいよ、いいよ。
二人とも謝らないで。
身の程知らずの私がいけなかったんだから。
ね、もうこの話はおしまいにしよ?」

「真奈美がそう言ってくれると助かるよ。サンキュ」

私はなんだか居心地悪くなってしまい、トイレ、と言って席を立った。

廊下に出ると空気がひんやりしていて、恐縮しすぎてほてった顔に心地よかった。

トイレを済ませ戻ろうとすると、前からカンジ先輩が歩いてきた。

会釈してすれ違おうとすると、呼び止められた。

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