かすみ草の夢
「いや、そんなことは…」

「じゃあ、もうやめましょ。
それに上級者コース行って、私ちょっとはスキー上達しましたよね?
カンジ先輩、褒めてくれたじゃないですか。
あれ、嘘ですか?」

「いや、嘘じゃない」

「よかった。ね、上級者コースに行って、いいこともあったんですから」

私が微笑むと、カンジ先輩もやっと笑ってくれた。

「真奈美にはかなわないなあ。
おまえってホントいいやつだな。
ありがとうな」

その時、私の携帯が鳴った。

液晶を見ると、優衣からだった。

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