かすみ草の夢
「前から、真奈美のこと、すごく思いやりのある子だなって思ってた。

一緒に買出し行ったり、今日も一緒にスキーすべったり、真奈美と一緒だとすごく楽しいんだ。

癒されるっていうか、ありのままの俺でいられるっていうか。

それに、今日真奈美が流されたときは、心臓が止まるかと思った。

真奈美に何かあったらどうしようって、本当に怖かった。

…俺、真奈美が好きだ。

俺と付き合って欲しい」

「……」

驚いて声が出なかった。

カンジ先輩は心配そうな表情で私の返事を待っている。

「あの…」

「ん?」

私は、勇気を出して言った。

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