かすみ草の夢
それは、イチゴのゴム飾りだった。

私は、自分の2つの三つ編みの先端を確認した。

片方のゴム飾りがなくなり、三つ編みがほどけかかっていた。

「あ、そうみたい。ありがと」

私を手を出して、カンジ君の手からゴム飾りを受け取った。

その場で編むのも面倒なので、私はもう片方のゴムも取り、両方の三つ編みをほどいた。

そうすると、髪全体に緩やかなウェーブができた。

カンジ君は、物珍しそうに私の髪を見ていた。

男の子にじっと見られることなんて、普段まったくない私は、急にドキドキしてきてうつむいた。

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