かすみ草の夢
「あ、あの、本当にごめんなさい。
あと、拾ってくれて、ありがとう」

私がそう言うと、カンジ君は我に返った様子でニコッと笑った。

「いや、俺もよく見てなかったから。ごめんな」

そう言うと、カンジ君はその場を去っていった。

私も家に帰ろうと自転車のハンドルに手をかけた。

その時、少し先の道路で何かがキラッと光った

拾い上げてみると、私の知らないキャラクターがサッカーをしている形のキーホルダーだった。

カンジ君のものかどうかはわからなかったけれど、なんとなく私はそれをポケットに入れて持ち帰った。

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