クレイジーワールド
「ねぇエミィ」
「なぁに?ジェイ君…」
「君も前に街のやつらに追われた時に怪我してたよね?」
先程の事でまだ頬を赤く染めつつもエミィは答えた。
「う、うん。」
孤児達から盗み等で迷惑を被っている街の人々からは
嫌がらせを受けたりする事がよくあった。
この街の治安が優れないのは身元がなく街を徘徊している子供達の存在が
ある時点で分かるだろう。
勿論ジェイ達だけではない。他にもそういった子ども達は結構いて、
その子達とジェイは交流したりもしている。
やはり同じ待遇の者とは気が合うのだ。
けれど街の人々にとって、そこら辺に蔓延る身元のないガキ共は
いたぶりがいのある恰好のカモ、といったところ…
怪我をさせられたり暴力を振るわれたりということもなくはない。
「別に大丈夫だよぉ…もう痛くないし、ね?」
そう言って微笑んだエミィの笑顔はジェイにとっての最高の癒しだった。
「……っ」
ジェイはエミィの身体をぎゅっと抱き締めた。
抱き締めたエミィの身体はとても細くて、男の自分とは少し違ってとても柔らかかったし温かかった。
こんなか弱い女の子の身体にいつも無理をさせていると思うと胸が苦しかったけれども、自分だけでは何も出来ない無力な存在だともう分かり切っていた。
そんな歯痒い思いを胸に抱きながらも、ジェイはせめてと思いながらエミィを護っている。

ジェイはエミィを強く抱き締めながらエミィの唇に自分の唇を重ねた。
「ん……」
ジェイが貪るようにエミィの唇を吸うと、エミィは可愛らしい声をもらす。
この声が、身体が、吐息が、唇が、ジェイにとってたまらなく愛しく心地よかった。
唇をそっと離すとジェイはエミィの服のボタンを外し始めた。
「…っ」
それに気付いたエミィはもぞもぞと抵抗するも、ジェイの力に逆らえなかった。
「やぁ…今日はもうすぐ夜が明けちゃうから駄目だよジェイ君、神父様に見付かっちゃう…」
それに多少耳を傾けるも、ジェイは大丈夫、と言ったようにもう一度唇を落として塞ぎ、エミィの服のボタンはどんどん外されていった。
「ぁっ…んん…」
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