クレイジーワールド
教会の扉を開けてみると、朝一番の礼拝に来たのであろう
ここの老神父とエミィは丁度鉢合わせになった。
神父はみずぼらしい格好のエミィを見ても嫌な顔せずにっこりと笑いかける。
「お嬢さん、どうしたのですか?具合が悪そうですね…?」
少し年老いた神父の優しげなテノールが耳に心地よかった。
「お気遣い有り難う御座います、またイエス様に屋根をお貸し頂いておりました。
…ごめんなさい神父様」
街の人々から敬遠される孤児達にとって、こういう本当に心の優しい人が一人でも
いるというのはとても嬉しいことだった。
ここの神父は時折屋根を求めてやって来る孤児達を
嫌な顔をして追い返したりせずに、受け入れている。
同じ親のいない仲間達に聞いた事だがこの教会も以前は施錠をしていたらしい。
が、治安がだんだん悪くなり孤児が増えていった為、神父は施錠するのを止め、
そんな可哀相な子供達がいつでも入れるよう開放したんだとか。
ただの噂に過ぎないが、きっと本当のことなのだろうと思っていた。皆。
ただ、ジェイ君だけは「そんなの偽善だよ」なんて言っていたけど…
「気にしないで良いんですよ…主はきっとお祈りに熱心な貴方を祝福することでしょう」
神父は真っ白で長い立派なひげを手で撫でながらふぉっふぉっふぉと小気味よく笑った。
ここの老神父とエミィは丁度鉢合わせになった。
神父はみずぼらしい格好のエミィを見ても嫌な顔せずにっこりと笑いかける。
「お嬢さん、どうしたのですか?具合が悪そうですね…?」
少し年老いた神父の優しげなテノールが耳に心地よかった。
「お気遣い有り難う御座います、またイエス様に屋根をお貸し頂いておりました。
…ごめんなさい神父様」
街の人々から敬遠される孤児達にとって、こういう本当に心の優しい人が一人でも
いるというのはとても嬉しいことだった。
ここの神父は時折屋根を求めてやって来る孤児達を
嫌な顔をして追い返したりせずに、受け入れている。
同じ親のいない仲間達に聞いた事だがこの教会も以前は施錠をしていたらしい。
が、治安がだんだん悪くなり孤児が増えていった為、神父は施錠するのを止め、
そんな可哀相な子供達がいつでも入れるよう開放したんだとか。
ただの噂に過ぎないが、きっと本当のことなのだろうと思っていた。皆。
ただ、ジェイ君だけは「そんなの偽善だよ」なんて言っていたけど…
「気にしないで良いんですよ…主はきっとお祈りに熱心な貴方を祝福することでしょう」
神父は真っ白で長い立派なひげを手で撫でながらふぉっふぉっふぉと小気味よく笑った。