クレイジーワールド
「ジェイ君冷たいよ…」
ジェイはエミィをとても愛していたしエミィもそれを知っていた。
でもその愛が男女間の愛情だというのに

まだ少女だったエミィは気付いていない。

「大好きだよ、エミィ…」
「私も好きだよ…」
耳元で囁くジェイの言葉に、エミィはか細い声で返した。

「ジェイ君。林檎は後でまた食べようか」
「そうだね」
そう言ってエミィは林檎を仕舞った。
「…怪我、手当てしなくちゃ、またいつもの場所行こう。ジェイ君立てる?」
「大丈夫。もう立てるよ…」

冷たい街の中に二人は消えていった。
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