ラブ・ストーリー

微熱



出会いはほんの少しの空間。
「思ってないならいいよ」
いらない沈黙が長くなるほど辛くなって、答えを出さない彼に苛立ちさえ感じてしまう。

優柔不断。

好きじゃないならそういえばいいじゃん。
「お前のことなんてなんとも思ってない」
そういってもらえた方が一瞬の傷で終われたかもしれないのに。
「今日、髪型かわいかったよ」

ほら、そうやって私の熱を上げていく。

「いつ会える?」
辛くなるのわかってるけどやっぱり会いたくて。。。
「今」
「迎えにいくよ」

微妙な距離なんかもういらない。
我慢できないの。
あなたが好きすぎて…。
あなたを思うと体が火照って微熱を感じる。

「ねぇ、」
「ん?」
「やっぱり好きなんだけど」
「俺、好きじゃないやつ迎えに来ないから」
彼の唇が微妙な距離が確実なものへと変えてくれた。
「ていうか俺の方が好きだから」
「バカ。それ私のセリフ」
今日こそ微熱が彼に伝わってしまったみたい。
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