僕の彼女は腐女子です。
すると、ユリさんは何かに気が付いたように、僕に視線を向けた。

「あれ…?」

ん?どうしたんだろう。
僕の顔になんかついてるのかな。

「君って、ヒロキくん?」

「え、あぁ…僕は洋貴ですが?」

あれ?なんで僕の名前知ってるんだろ。

するとユリさんは、「やっぱり!」と手を叩いた。

「あの、なんで僕の名前を知っているんですか?」

ユリさんは僕にキョトンとした視線を向けたあと、その視線を皐月に向けた。

「あはは~」

皐月が、あからさまに誤魔化すような笑いを浮かべる。

「もしかして…」

「サイトではね、ナオヒロでイラストとか小説書いてるんだ。…てへっ☆」

てへっ☆……じゃねぇ!!

「え?え?それってつまり、直人×僕ってことだよね!?」

「そう…だね。」

うわー。マジで?
嘘だろ。誰か嘘だと言ってくれ!

というか、カップリングが分かってしまう自分もなんだか嫌だ。なぜか自分がいろんな意味で染まった気がする…orz

「あ、うん。ごめん、勝手に書いちゃって。ホントにごめんね」

皐月が本当に申し訳なさそうに言うから、僕は皐月に対して本気で怒れなかった。

やっぱり僕は、皐月に甘いのだろうか。

「はぁ…もう良いよ。それについては諦めた。皐月の書きたいように書けば良いよ」

「でも、嫌じゃないの?」

恐る恐るといった様子で聞いてくる皐月。
僕は皐月の頭を両手でぐしゃぐしゃとかき混ぜるように撫でると歯を見せるように笑った。

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