僕の彼女は腐女子です。

コスプレのお時間です。

「…」

皆さん

「「かっわぁいい~!」」

僕は今、猛烈に後悔しています。

「ちょ、皐月ちゃんグッジョブ!∑d(´∀`*)」

「イェア!∑d(´∀`*)」

軽々しく、コスプレの承諾なんかするんじゃなかった…。

「皐月~、」

クイクイッと皐月の服の裾を引っ張る。
まだ興奮気味の皐月は、ちょっと鼻息を荒くしながら振り向いた。

「な、何?洋貴!」

うわぁ…。なんかハァハァしてるよ。なんか怖いよ。

「は、恥ずかしいよ…。皆見てるし…」

「大丈夫!グッジョブ!!」

「意味分かんないし!答えになってないし!!」

いまだ興奮している皐月を見て、僕は「あぁ…無理だ」と諦めた。
がっくりと肩が落ち、思わず大きなため息が出る。

この服を改めて見てみる。
このキャラは普通の高校生設定だからか、ものすごく何処にでもありそうな制服で、着るのには全く抵抗はなかったし、明るい茶髪のウィッグも長いわけでもなく普通だし、眼鏡だってキャラと同じだからっていう理由でつけさせてもらえたから、何も抵抗なんてない。

だけど、周りの人たちの視線が痛すぎる…!

まだ一般客の人たちが入っていないってのにこの視線の数は、どうも気が滅入る要素にしかならない。

はぁ…そんなに珍しいのかな?

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