僕の彼女は腐女子です。
──キーンコーンカーンコーン

「セーッフ!」

今日も、今日とて遅刻ギリギリな僕らは、慌ただしく教室に入ると直人と湯川さんからの「おそよう」コールを聞くことになった。

「あ、れ?栞…珍しくない?浅岡くんと一緒にいるなんて」

「あんたらが余りにも遅いから、浅岡と人間の生と死について哲学的側面から議論を交わしていたのよ」

いや、一高校生がするような話じゃないだろ。

「湯川とそんな話してたら宇宙の始まりまで話が飛んだ」

「おい、どっから飛んだ?どうやったらそんな壮大な話に脱線するんだ?」

大真面目な顔でそんなことを言い放つ彼らの脳内がどうなっているのか真剣に気になった。

「洋貴の言う通りだと思うな」

「皐月…」

皐月が苦笑しながら「どうしてそこまで飛んだの?」と湯川さんに問いかける。

おぉ…!なんだか皐月がまともに見える…!!

「あら、そこから飛ぶなら──ロリコンは遺伝するのかっていうのにもと「ばないからな」……テヘ☆」

どうやらまともに見えたのは気のせいだったようだ。
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