僕の彼女は腐女子です。
「ほら、言ったじゃない。浅岡と河村は違うって」

「でも…」

「でも、は聞かないよ。まったく…そういうのは、妄想の中だけにしなさいよね」

「あぅ…」

「湯川さん…!」

ヤバい。マジでじーんっとキた。
皐月にも普通の友達がいて良かったよ~。

「でもさ、あんたたちも気を付けなさいよね。本当に、こういう思考の子だとそう見えるから」

僕の隣。今誰も座っていない席に、湯川さんは腰かけた。

頬杖をつく姿は、綺麗なお姉さんという感じがする。

……そう言えば、僕の周りにはやたらと顔が整ってて綺麗な人が多い。

直人は少し長めの黒髪で、長身。服もモノトーン系でセンス良くまとまってるし(今更だけど、この学校は私服校だ。)、頭も良いし…前に隣のクラスの女子が直人を見てかっこいいとか騒いでたし。

湯川さんは湯川さんで、美人。クールビューティーって言えばいいのかな?とにかく、そんな感じ。ロングの髪は暗い茶色で、青系で大人っぽくまとまった服がよく似合ってる。
それに、この人も頭が良い。

皐月も、(黙ってれば)可愛いし、元から茶色い髪は、昔からフワフワしてて、なんか…うん。上品なお嬢様ルックって感じ。まぁ、皐月の家はお金持ちだし、お嬢様なんだろうけど。
それに、皐月も頭が良い。

みんなルックスが良くて、頭が良い人たちばっかりなのに、なんで成績は中の中、ルックスに関しては中の下あたりの僕とつるんでいるのか分かんない。
特に、皐月は。

幼馴染みだからと言われてしまえばそれで片付いてしまうんだけど、なんでか皐月は小学校も中学校も高校も一緒で…。

小学校から、私立の名門校に通おうと思えば通えたのに、ずっと同じ学校にいる。
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