ストロベリー★ショートケーキ
#第8章
~ありさSIDE~
ハァハァハァ......
私はいてもたってもいられなくなって、
あの喫茶店を飛び出した。
何が何だか分からなくて…
自分が何なのか分からなくて…
どうすればいいか分からなくて…
夢中で走ってきた。
楠木先輩が嫌いなわけじゃなかった
いつもテンション高くて…
おもしろいことばかり言って…
でも人一倍思いやりがあって。
そんな先輩は私にとって大切な存在だった
佐藤先輩だって同じ。
優しくて…それに頭がいいって噂もよく耳にする。
私にとっては、何もかも兼ねそろっていて
完璧な先輩方が話しかけてきてくださる事だけでも
十分ありがたかった。
なのに……そんな先輩の告白を断った私。
『贅沢だよね…』
だけどそれには深いわけがあった