秘密の片思い
郁斗は車を近くのコインパーキングに停めていた。


ブラジルで生活していたからだろうか、紳士的に郁斗は助手席のドアを開けて愛を座らせた。


(ううん 違う、日菜が昔言っていた・・・朝倉兄弟は紳士的だって)


こんな事一つに感激してしまう愛だ。


だけどこんな風にブラジルにいる婚約者にしていたのかと思うと嫉妬心で胸がいっぱいになってしまう。


郁斗の行動すべてにあの彼女が付きまとう。


「愛?どうした?」


運転席に着いた郁斗はまだシートベルトをしていなくポケッとしている愛の髪に触れる。


「えっ?な、なんでもない」


慌てて手を伸ばしてシートベルトをした。



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