秘密の片思い
「そんなに大変じゃなかったよ 親父の知り合いの家に居候させてもらったから食事もしっかり取れたし」


「ふうん じゃあ、なんかの国際試合でMVPを取った時はどんな気持ちだった?」


つい雑誌記者の気持ちで聞いてしまっていた。


「愛・・・・」


郁斗がふぅっとため息を吐く。


「あ、ごめん・・・つい聞いちゃった」


「いいよ でも俺がMVPを取ったの事知っていたんだ?」


そう聞かれて恥ずかしくなる。


ブラジルに行ってしまった郁斗が気になってサッカーのTV番組はよく見ていた。


ただ、郁斗の婚約者の事はしらなかったが。


「あの時は天にも昇る気持ちだったよ まだ未熟者の俺があんなにすごい賞を貰ったのは奇跡としか言いようがない」


「違うよ 郁斗が努力したからだよ」



< 107 / 646 >

この作品をシェア

pagetop