秘密の片思い
『頼み?』


何の頼みだろうかと不思議そうな声が聞こえた。


「・・・うん」


『じゃあ、今日俺のマンションに来て欲しい 場所は・・・分かるよな?』


ちょっと含みある言い方だ。


あの時、逃げ出した事を思い出しているみたいだった。


「わかる・・・日菜のマンションの隣だよね?」


『待ってるよ』


「あっ、郁斗待って!」


電話を切られそうになって愛は慌てた。


『ん?なに?』


「ちょっと遅くなるの・・・」


『何時でも良いよ』


優しい郁斗の声がした。



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