秘密の片思い
「・・・もう郁斗と会うのはやめなきゃ・・・祐が・・・」


「祐一郎は知っているの!?」


涼子が驚きの声を上げる。


「・・・うん 別れ話をしたから。でも・・・別れないって。それどころか郁斗と会うようならあたしとの事をマスコミに話すって・・・今、郁斗は大事な時期だし・・・あたしとの事で郁斗の人生が変わってしまうなんて良くない・・・」


口ではそう言うが心は割り切れるものではなかった。


愛の目から涙が溢れてとうとう膝の上でぎゅっと握ったこぶしの上に落ちた。



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