秘密の片思い
愛は電話を切った後、胸に手を当てた。


早鐘のように心臓がドキドキしている。


(これはときめいてドキドキしているんじゃない・・・祐が怖い・・・・)






「愛さん?」


名前を呼ばれて振り向くと後輩の山本 仁美がベーグルのサンドウィッチを手にして立っていた。


「仁美ちゃん」


「編集長から差し入れです」


仁美は愛の手にベーグルを渡す。


「ご馳走様です」


愛は受け取ってにっこり笑った。



「愛さん、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」


仁美は愛の顔色の悪さが気になった。


「え?大丈夫よ?週はじめなのに疲れたなんて言ってられないでしょ?」


明るい愛を見て仁美は安心して自分の机に戻って行った。



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