秘密の片思い
「あ、あたしもまだ・・・いっしょにいたい・・・」


(言っちゃった・・・・郁斗のあんな眼差しを見て拒める人がいたら見てみたいよ・・・)


「ほんと?愛」


長い指が愛の顔を良く見ようとゆっくり髪の毛を払う。


「ん・・・」


(会社では仕事の出来る可愛げのない女でも、郁斗の前では可愛い女でいたい・・・今だけ・・・)


「部屋に戻ろう?」


郁斗の指に指を絡ませたまま小さく頷いた。


(これが最後・・・最後だから神様・・・幸せな時を下さい・・・)



< 157 / 646 >

この作品をシェア

pagetop